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mako watanabe    ***   like the ocean we share, we are one in the same   ***               動物関連の記事を選びたい方は、カテゴリーの <ペット問題><@仕事> <動物福祉><動物関連イベント> からご覧ください。
近所の酒屋の奥さんが、ミニチュアダックスを散歩させていた。



子犬のころからたまに見かけたけど、もう10歳近くになっているかな。
一人と一頭の後ろ姿を見送りながら、複雑な思いに駆られた。

もうずっと昔のこと、酒屋の裏に犬小屋があった。
テリア系雑種の小型犬が、短い鎖につながれていた。

そこは軽トラックが横付けされる搬出入口で、毎日ビールのケースや段ボールが積まれ、運ばれるところ。

騒音と、慌ただしさと、排気ガスと埃の中で、その犬は生きていた。
名前を呼ばれることも、撫でられることも、遠い昔に諦めたような顔をして。



食べるものと水くらいは与えられていたようだが、それ以外は、犬の存在は無視されているも同然。
ただ生きているというだけで、楽しみや喜びのない日々をぼうっとやり過ごす姿が哀れだった。

駅から自宅への帰り道、その犬のところに寄るために、よく裏道を通った。
私を見つけると、パッと表情が変わるのが分かる。

吠えてはいけないと教えられているらしく、もどかし気な鼻啼きをしながら、短い鎖をいっぱいに引っ張って私を迎えた。

いいこ、いいこ。
犬は私の膝に顎を載せ、頭をなすりつけたり手をかけたりする。
遠慮がちに、そうっと。

胸を撫でる。
首を撫でる。
頭を撫でる。
耳の後ろをかく。

すぐに指は脂っぽくなる。
きっと何ヶ月も、もしかしたら何年も、お風呂に入っていないのだろう。

少しの時間を一緒に過ごしたあと立ち上がろうとすると、その気配を察した犬が先に犬小屋に入る。
中で一回転して、ちょっとだけ顔を出す。

雷が鳴ったときや台風の夜、猛暑日や光化学スモッグの発令注意報が出た日は心配で、ペットボトルの水を持って駆け出したこともある。

たった一度だけ、うちの犬たちの散歩のついでに様子を見ようとしたら逆に見つかってしまい、逃げ帰ったこともある。

近隣の土地開発が始まると、酒屋は仮店舗へ移動して犬小屋は消えた。

あの子にまつわるあんなこと、こんなことを久しぶりに思い出した。
君のこと、私は忘れないから。

つながれたままの一生を送る犬たち。
彼らは、ずっと待っている。
一度は自分を愛した人が、また振り向いてくれる一瞬を。

諦めた顔をしながらも、小さな希望を捨てずにいる。
愛を乞う瞳で。
その純情に、なぜ気づかずにいられるの?



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