mako watanabe ***
like the ocean we share, we are one in the same ***
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毛利庭園のカルガモたち。

子どもは7羽に減ってしまった。
先日の大雨で、また1羽が溺れたのだそうだ。
最近、母親は麻布十番方面へ飛んでいって戻らないときもあるそうで、あっちで楽しいことでもあるのだろうか。
残された子どもたちは、与えられる餌は好まないらしく、水に潜って何か食べているらしい。
でも人工池だし、いいものはないと思う。
都会に生きる動物たちは苦労が多い。
危険も多い。
少し前、窓の外から子猫の声がしきりに聞こえてきたことがある。
小一時間も続くので、気になって行ってみると、どうやらマンション一階の駐車場から聞こえてくる。
停まっていたベンツの下を覗いたら、反対側から女性が覗いていた。
通りすがりに、やはり声が気になったらしい。
「絶対にこの車ですよね」
「トランクに入れているとか?」
「まさか! 裏側に入り込んでるんじゃないですか?」
「私、猫缶を買ってきます。匂いに誘われるかもしれない」
彼女がコンビニに走って行ったのと入れ替わりに、車の持ち主が現れた。
見るからに、その筋の、金ピカの男性だ。
事情を説明すると、あからさまにイヤな顔をした。
そしていきなり、タイヤを数回蹴った。
「そんなことしたら、益々怯えて出てきませんよ」
「じゃ、どーすりゃええんよ!」
「今、猫の食べ物を買いに行っています。匂いで出てくるかもしれません」
そこへ先ほどの女性が戻り、猫缶を開けて車の近くへ置いた。
私たちは少し離れたところで待つことにする。
1分も経たないうちに、金ピカが車のボディを手で叩いた。
次は壁に立てかけてあったほうきを持ってきて、車の下をガシャガシャした。
子猫は凍りついたのだろう、静かになった。
「そうだ。エンジンかけたろ」
車のことは知らないけど、どこかに猫がいるのにエンジンをかけてしまうことが恐ろしい気がする。
「猫は車の裏側から内部に入ったかもしれません」
「知らねえよ」
金ピカはドアを開け、キーを差し込んだ。
猫缶の女性は泣きそうだ。
「エンジンに巻き込まれたりしたら、あとが大変ですよね」
「……」
「……猫はたたるというし」
金ピカの指は動かない。
「俺は急いでるんや! 他の方法はあるんか!」
「ベンツかディーラーに連絡したらどうでしょう。でなければレスキューに出動してもらうか」
金ピカはディーラーに電話したがつながらず、友だちに電話したらやはりレスキューしかないだろうと言われたようだ。
「レスキューって何番」
「119」
「……」
「ちゃんと事情を説明してくださいね」
そりゃあ金ピカにすれば、避けて通りたい関係だものね。
でも仕方ない。
数分後、けたたましいサイレンが聞こえてきた。
猫缶の女性が不安そうな顔をする。
「あれ、違いますよね?」
「違いますよぉ。どこかで火事でもあったんでしょう」
しかし私たちの目の前で消防自動車が止り、オレンジ色の制服を着たレスキューの方々がどやどやと降りてきた。
金ピカは電話で正しい説明ができなかったようだ。
結局、子猫はボンネットの中の、いろいろな物の間にはまって動けなくなっていた。
車の裏側から入れちゃうのね。
でも本当にエンジンに巻き込まれてしまうケースもあるらしい。
気をつけておくれー!

子どもは7羽に減ってしまった。
先日の大雨で、また1羽が溺れたのだそうだ。
最近、母親は麻布十番方面へ飛んでいって戻らないときもあるそうで、あっちで楽しいことでもあるのだろうか。
残された子どもたちは、与えられる餌は好まないらしく、水に潜って何か食べているらしい。
でも人工池だし、いいものはないと思う。
都会に生きる動物たちは苦労が多い。
少し前、窓の外から子猫の声がしきりに聞こえてきたことがある。
小一時間も続くので、気になって行ってみると、どうやらマンション一階の駐車場から聞こえてくる。
停まっていたベンツの下を覗いたら、反対側から女性が覗いていた。
通りすがりに、やはり声が気になったらしい。
「絶対にこの車ですよね」
「トランクに入れているとか?」
「まさか! 裏側に入り込んでるんじゃないですか?」
「私、猫缶を買ってきます。匂いに誘われるかもしれない」
彼女がコンビニに走って行ったのと入れ替わりに、車の持ち主が現れた。
見るからに、その筋の、金ピカの男性だ。
事情を説明すると、あからさまにイヤな顔をした。
そしていきなり、タイヤを数回蹴った。
「そんなことしたら、益々怯えて出てきませんよ」
「じゃ、どーすりゃええんよ!」
「今、猫の食べ物を買いに行っています。匂いで出てくるかもしれません」
そこへ先ほどの女性が戻り、猫缶を開けて車の近くへ置いた。
私たちは少し離れたところで待つことにする。
1分も経たないうちに、金ピカが車のボディを手で叩いた。
次は壁に立てかけてあったほうきを持ってきて、車の下をガシャガシャした。
子猫は凍りついたのだろう、静かになった。
「そうだ。エンジンかけたろ」
車のことは知らないけど、どこかに猫がいるのにエンジンをかけてしまうことが恐ろしい気がする。
「猫は車の裏側から内部に入ったかもしれません」
「知らねえよ」
金ピカはドアを開け、キーを差し込んだ。
猫缶の女性は泣きそうだ。
「エンジンに巻き込まれたりしたら、あとが大変ですよね」
「……」
「……猫はたたるというし」
金ピカの指は動かない。
「俺は急いでるんや! 他の方法はあるんか!」
「ベンツかディーラーに連絡したらどうでしょう。でなければレスキューに出動してもらうか」
金ピカはディーラーに電話したがつながらず、友だちに電話したらやはりレスキューしかないだろうと言われたようだ。
「レスキューって何番」
「119」
「……」
「ちゃんと事情を説明してくださいね」
そりゃあ金ピカにすれば、避けて通りたい関係だものね。
でも仕方ない。
数分後、けたたましいサイレンが聞こえてきた。
猫缶の女性が不安そうな顔をする。
「あれ、違いますよね?」
「違いますよぉ。どこかで火事でもあったんでしょう」
しかし私たちの目の前で消防自動車が止り、オレンジ色の制服を着たレスキューの方々がどやどやと降りてきた。
金ピカは電話で正しい説明ができなかったようだ。
結局、子猫はボンネットの中の、いろいろな物の間にはまって動けなくなっていた。
車の裏側から入れちゃうのね。
でも本当にエンジンに巻き込まれてしまうケースもあるらしい。
気をつけておくれー!
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