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台湾動物保護法(1999年、英文からALIVEで翻訳)
第1章 一般条項
第1条
1.動物の生命の尊重と、その保護を目的として、ここにこの法を定める。
2.動物の保護はここに定められている規定に従って履行される。他の関連法に記載されている条項が適用するものについては、その規定に従う。
第2条
ここでいう所轄とは、国(中央政府)では行政院の農務会議、自治体では自治体行政機関を指す。
第3条
この法で使用される用語の定義は以下の通り:
1.「動物」とは、犬、猫、または人間が飼養、あるいは保有する脊椎動物を指す。
この中には商業動物、実験動物、ペット、その他の動物が含まれる。
2.「商業動物」とは、毛皮、肉、乳、労働などの商業目的で飼養、あるいは保有されている動物を指す。
3.「実験動物」とは、科学的使用目的で飼養、あるいは保有されている動物をさす。
4.「科学的使用」とは、教育、実験、および生物学関連製品、実験的商品、薬品、毒物、臓器移植の開発を目的とした使用を指す。
5.「ペット」とは、犬、猫、その他の動物で、人間が愛玩用、コンパニオンとして飼養、あるいは保有しているものを指す。
6.「飼養者」とは、動物の所有者、あるいは動物を保有している者を指す。
第2章 動物の一般的保護
第4条
1.国の所轄は動物保護委員会を設立する。委員会は動物保護方針を作成し、法の履行状況について調査を行う。
2.委員会のメンバーは無給とする。委員会設立に関する規定は国の所轄が作成する。
政府とは関連のない専門家、学者、動物保護市民団体メンバーが委員会の3分の2以上を占めなければならない。
第5条
1.動物の飼養者は15歳以上でなければならない。15歳未満の者が動物を飼養する場合には、法定機関、あるいは法定保護者を動物の飼養者と見なす。
2.飼養者は充分な食料と水、動物が活動するのに充分なスペースを提供しなければならない。また、安全な生活環境、住居、換気、採光、温度、清掃や、その
他の適切な世話、また、正当な理由のない嫌がらせ(ハラスメント)、虐待、けがから動物を守るために配慮しなければならない。
3.動物の飼養を放棄する場合、その動物を動物シェルター、あるいは自治体の所轄が指定する場所に連れて行かなければならない。
第6条
何人も、他者が飼養する動物に嫌がらせをしたり、虐待したり、けがをさせてはならない。
第7条
飼養者は自分の飼養する動物が、他人の生命、身体、自由、財産、平安を侵害しないようにしなければならない。
第8条
国の所轄は飼養、輸入、輸出が禁止されている動物の種類について公布する。
第9条
動物を輸送する場合、食料、水、トイレ、環境、安全について配慮しなければならない。加えて、動物が怯えたり、けがをしたりしないようにしなければならない。輸送用車両、輸送方法、その他の輸送に関する詳細については国の所轄が定めるものに従う。
第10条
下記の行為は禁止とする:
1.直接、間接を問わず、賭博、娯楽、事業、宣伝、その他の非合法目的のため
に、動物同士、あるいは動物と人間とが闘うこと。
2.直接、間接を問わず、賭博のために動物をレースやコンテストに使用すること。
3.社会的慣習に背く行為。
第11条
1.飼養者は、けがをしている、あるいは病気の動物に必要な治療を提供しなければならない。
2.治療や手術が動物の健康管理に必要だと診断された場合、その治療や手術は獣医師によって行われなくてはならない。しかし、緊急の場合、科学的使用として行われる場合、あるいは国の所轄が公布する状況の場合は除く。
第12条
1.動物は随意に殺してはならない。しかし、この規定は下記の場合を除く。
(1)精肉、毛皮、他の動物の飼料などの、商業目的。
(2)科学的使用。
(3)動物の群れの病気管理、あるいは繁殖計画での間引き。
(4)所轄が承認する商業動物の余剰数管理。
(5)動物を苦痛から救うため。
(6)人間の生命、身体、健康、自由、財産、公共の安全を守るため。
(7)動物シェルター、あるいは自治体所轄が指定する場所で管理され、提示・
公示後7日を過ぎても、里親が見つからない動物を処分する場合。
(8)この法に定められている規定、あるいは国の所轄が公布する規定に準ずる
場合。
2.国の所轄は第1項の1に関して、必要な場合、動物の屠殺を禁止することができる。第8条で、飼養、輸入、輸出が禁じられている動物は、第1項の7に記載されている方法で里親を見つけることはできない。しかし、このような動物でも、この法の公布以前から飼養されており、公布後、第36条第1項に従って登録された場合には、飼養を継続することができる。
第13条
1.第12条第1項に従って動物を殺処分する場合は、人道的な処置を取り、苦痛を最低限に押さえなければならない。この際、下記の規定に従う。
(1)国の所轄からの公布がある場合を除き、公共の場、あるいは一般市民が自由に出入りできる場所での動物の殺処分は行わない。
(2)緊急の場合を除き、けが、あるいは病気で苦しんでいるペットの安楽死は獣医師が行う。
(3)動物シェルター、あるいは自治体所轄の指定する場所で管理する動物の殺処分は、獣医師が行うか、獣医師の監督下で行う。
(4)余剰動物の殺処分は、所轄が承認する方法で行う。
2.国の所轄は、動物の生態を考慮し、人道的な殺処分方法についての規定を作成する。
第14条
1.自治体所轄は動物シェルターを設立、あるいは私立の機関・団体に動物シェルターの設立を要請する、または特定の場所を動物シェルターとして指定し、下記の動物の保有と世話を行う。
(1)自治体政府、その他の機関に捕獲された飼養者の不明な動物。
(2)飼養者が飼養の継続を望まない動物。
(3)この法に従って、所轄が没収し、保有する動物。
(4)生命を脅かされている動物。
2.自治体所轄は私立の機関・団体の動物シェルター設立に際して、それを促進するための手段を講じ、また、援助を与える。
3.動物シェルター、または、自治体所轄が指定した場所が動物の世話をする場合、必要経費を請求することができる。この額は自治体所轄が定める。
第3章 動物の科学的使用
第15条
1.科学のために使用される動物の数は必要最低限に押さえる。使用する際には、できるだけ動物に苦痛を与えず、また、動物を傷つけない方法を取る。
2.国の所轄は、使用する動物をどこから調達し、動物の種類別に、どのような目的に使用し、どのように管理するか、について基準を設ける。
第16条
1.動物実験を行う機関は、動物実験監視のための管理グループを設置する。
2.国の所轄は動物実験倫理委員会を設置し、動物の科学的使用を監視、および管理する。
3.この委員会には、少なくとも、民間の獣医師1名、動物保護団体の代表1名が含まれていなければならない。
4.動物実験の管理グループ、動物実験倫理委員会の編成、任務、管理については、国の所轄が規定する。
第17条
1.実験終了後は、実験に使用された動物の状態をただちに診断する。動物の四肢や器官が喪失していたり、その後の存命の質を損なうほどの苦痛が継続する場合には、できるだけ苦痛を伴わない方法で速やかに安楽死させる。
2.実験終了後は、必要がない限り、動物の心理的機能が完全に回復するまで、実験を再開しない。
第18条
中学校レベル未満では、教育を担当する所轄からの許可がない場合、動物を傷つけたり、殺したりするような実験を授業で行わない。
第4章 ペットの管理
第19条
1.国の所轄は、登録の必要なペットの種類を公布する。
2.飼養者は、この法の規定に従い、ペットの誕生、取得、譲渡、遺失、死亡を自治体所轄に届け出る、あるいは所定の私立機関・団体に代行を依頼する。自治体所轄は登録したペットに個体識別票を発行するか、ペットの体内にマイクロチップを埋め込む。
3.登録手続き、期間、避妊・去勢の促進、関連規定、個体識別方式管理方法については国の所轄が定める。
第20条
1.公共の場、あるいは一般市民が出入りする場所に出入りする場合、ペットには7歳以上の人間が同伴し、安全のための十分な予防措置を取る。
2.人に危害を加える恐れのあるペットについては、公共の場、あるいは一般市民が出入りする場所に出入りする場合、大人が同伴し、安全のための十分な予防措置を取る。
3.第2項の、人に危害を加える恐れのあるペットの種類、及び安全のための十分な予防措置については、国の所轄が規定を定め、公布する。
第21条
1.登録を義務付けられている種類のペットが、公共の場、あるいは一般市民が出入りする場所に、人間の同伴なしに出入りした場合、誰でもこの動物を捕獲し、動物シェルター、あるいは自治体所轄が指定する場所に連れて行くことがで
きる。
2.第1項の状況で、ペットが個体認識票を付けていれば、その飼養者にできる限り早く連絡を取る。連絡後7日経っても、飼養者が引き取りに来ないペット、あるいは個体認識票を付けていないペットは第12条、および第13条に従って処分する。
3.第1項のペットが伝染病に感染している場合、あるいはその他の急を要する状態にある場合は、安楽死させる。
4.第2項、および第3項は、その飼養者によって、動物シェルター、あるいは自治体所轄が指定する場所に連れてこられたペットにも適用する。
第22条
1.商業利益のためにペットの繁殖、売買、取り扱いなどを行う者は、関連条項に従い、事前に自治体所轄に許可を申請し、免許を取得する。
2.第1項の、ペットの繁殖、売買、取り扱いなどを行う者の資格、施設に関する規定、許可申請・免許発行手順、免許の取り消し、およびその他の管理基準については国の所轄が定める。
第5章 行政監督
第23条
1.自治体所轄は動物保護監視官を置く。監視官は職務遂行の補佐としてボランティアの監視官を任命することができる。
2.動物保護監視官は動物コンテストの会場、屠殺、繁殖、売買、取り扱い、動物の科学的使用を行う場所に出入りし、調査を行い、この法に対する違反があった場合には、それを止めさせることができる。
3.第2項の、調査、および違反行為の禁止は、回避、拒否、あるいは妨害することはできない。
4.動物保護監視官は職務を行う際、身分証明書を提示する。必要な場合は警察の協力を求めることができる。
第24条
自治体所轄は、施設・学校で、第15条、第16条第1項、第17条、および第18条に対する違反が認められた場合、まず警告を与え、指定期間内に事態の改善、あるいは必要な措置を講じるように命じる。
第6章 刑罰
第25条
自治体所轄から免許を得ずにペットの繁殖、売買、取り扱いなどを行った場合は、第22条第1項違反と見なし、5万台湾ドル(約18万円)以上25万台湾ドル(約93万円)以下の罰金と定められた期間内の改善を命じる。この期間内に事態が改善されない場合は、営業停止命令を出す。営業停止命令に従わない者には、違反の頻度に応じて罰金刑を言い渡す。
第26条
第8条に違反し、国の所轄が繁殖、輸入、輸出の禁止を公布している動物を繁殖、輸入、輸出した者は、5万台湾ドル(約18万円)以上、25万台湾ドル(約93万円)以下の罰金刑に処する。
第27条
1.次の場合、5万台湾ドル(約18万円)以上、25万台湾ドル(約93万円)以下の罰金刑に処する。
(1) 第10条に違反し、動物同士、あるいは動物と人間を闘わせた者。
(2) 同様、動物と闘った者。
(3) 直接、間接を問わず、賭博のために動物を闘いに使用した者。
(4) その他、社会的良識に反した動物の使い方をした者。
2.上記に該当する件で、刑事責任が伴うものに関しては、司法調査機関が扱う。
第28条
ペットの繁殖、売買、取り扱いを行う者が、事前に取得必要のある免許、および第22条第2項に記載されている、国の所轄が定める運営に必要と見なされる
施設なしに運営を行った場合は、ペットの繁殖、売買、取り扱いに関する管理規定条項違反と見なし、3万台湾ドル(約11万円)以上、15万台湾ドル(約56万円)以下の罰金と指定期間内での改善を命じる。指定期間内に改善しない者は、繰り返し罰金刑に処し、これを三度受けた者は免許を取り消す。
第29条
次の場合、2万台湾ドル(約7万5千円)以上、10万台湾ドル(約37万円)以下の罰金刑に処する。
(1)第5条第3項に違反し、自己の飼養下にある動物を遺棄し、生態系を乱した場合。
(2)第15条、第16条第1項、第17条、第18条に違反し、第24条に従って必要な改善が指定期間内になされなかった場合。
(3)第20条第2項に違反し、人に危害を加える恐れのある動物を、大人の同伴、または安全のための十分な予防措置なしに、公共の場、あるいは一般市民が出入りする場所に出入りさせた場合。
(4)第23条第3項に違反し、動物保護監視官の職務遂行を回避、拒否、妨害した場合。
第30条
次の場合、1万台湾ドル(約3万7千円)以上、5万台湾ドル(約18万6千円)以下の罰金刑に処する。
(1)第5条第2項に違反し、飼養する動物を、正当な理由のない嫌がらせ、虐待、あるいはけがから守る配慮を怠った場合。
(2) 第5条第3項に違反し、飼養する動物を遺棄した場合。
(3)第6条に違反し、他者が飼養する動物に嫌がらせをしたり、虐待したり、傷つけた場合。
(4)第11条第1項に違反し、けがをしている、あるいは病気の動物に必要な医療手当てを提供せず、自治体所轄が指定する期間内に改善を行わない場合。
(5)第12条の第1項の1に違反し、公共の場、あるいは一般市民が出入りする場所で、動物の屠殺を行った場合。
(6)第13条第1項の4に違反し、所轄が承認していない方法で大量の動物を屠殺した場合。
(7)第13条第2項に違反し、国の所轄が指定していない方法で動物を殺した
場合。
第31条
次に該当する者は2千台湾ドル(約7千5百円)以上、1万台湾ドル(約3万7千円)以下の罰金刑に処する。改善を拒否する者には、違反の頻度に応じて追徴金を課する。
(1)第9条に従って国の所轄が定める動物輸送規定条項に違反して、動物を輸送する際、条項に定められている輸送車両の使用、及び輸送手段を取らなかった
者。
(2)第11条第2項に違反し、動物の健康状態、あるいは管理のために必要とは見なされない医療手当、および手術を施した者。
(3) 第12条第1項、および第2項に違反し、動物を殺した者。
(4)第13条第1項の2に違反し、獣医師の免許を持たず、緊急事態ではない場合にペットを殺した者。
(5)第13条第1項の3に違反し、獣医師の免許を持たず、あるいは獣医師の監督なしに動物を殺した者。
(6)第19条第3項に従って国の所轄が定めるペット登録管理規定条項の指定する
期間内に、自己の飼養するペットの誕生、取得、譲渡、遺失、死亡を届け出なかった者。
(7)第20条第1項に従って7歳以上の人間の同伴、あるいは安全のための十分な予防措置なしに、ペットを公共の場、あるいは一般市民が出入りする場所に出入りさせた場合。
第32条
次の場合、自治体所轄は動物をその飼養者から没収することができる。
(1) 第5条第3項に違反し、動物を遺棄した場合。
(2)第7条に違反し、動物が他人の生命、身体、自由、財産、あるいは平安を侵害した場合。
(3)第8条に違反し、保有、輸入、輸出の禁止が公布されている種類の動物を保有、輸入、輸出した場合。
第33条
次の場合、自治体所轄は、飼養者を刑罰に処する以外にも、指定期間内に改善を行うよう命じる。指定期間内に改善が行われなかった場合、所轄は動物を没収することができる。
(1)第5条第2項に違反し、飼養する動物を、正当な理由のない嫌がらせ、虐待、あるいはけがから守る配慮を怠った場合。
(2) 第10条に違反し、動物を利用した場合。
(3) 第11条第1項に違反し、動物に必要な医療手当を提供しなかった場合。
(4)第20条第2項で定める、人間の同伴、あるいは安全のための十分な予防措置なしに、人に危害を及ぼす恐れのあるペットを公共の場、あるいは一般市民が出入りする場所に出入りさせた場合。
第34条
この法に記載されている罰金は、自治体所轄が徴収する。
第35条
この法によって課された罰金は、指定期間内に支払われなければならない。罰金が指定期間内に支払われない場合は、裁判所がその件を扱い、強制徴収を行う。
第7章 補足条項
第36条
1.第8条に従って国の所轄が保有、輸入の禁止を公布している種類の動物を、その公布以前に保有、輸入していた者は、国の指定する期間内に自治体に登録する。状況に変化が起こった場合にも、その旨を自治体に届け出る。
2.第1項に従って登録した者は、動物の保有を継続することができるが、繁殖を行うことはできない。
3.第1,2項に違反した者は、第26条、第32条第3項に従って処分する。
第37条
第19条第1項に従って公布が行われる以前から、ペットの繁殖、売買、取り扱いを営んでいた者は、第22条第2項に従って定められた管理規定の履行から2年以内に自治体所轄に免許取得の申請を行う。これに違反した者は、第25条に従って処分する。
第38条
第19条第2項に従って、自治体所轄はペットの個体認識票を発行する。また、保護されたペットを引き取りに来た飼養者から諸経費を徴収し、第22条第1項に従って、営業許可証発行料を徴収する。この金額は国の所轄が定める。
第39条
この法の実施規定は国の所轄が作成する。
第40条
この法は公布日から効力を発する。
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地球生物会議(ALIVE)資料集 No.5 海外の動物保護法【EU編・付録より】