
挫折のCAPP編
皆様ご存知とは思いますが、念のため蛇足ながら簡単に説明させていただきます。
「CAPP」とは、Companion Animal Partnership Program の略称で、(社)日本動物病院福祉協会(JAHA)が行っている動物介在活動のことです。現在のところ主に高齢者施設を犬や猫を連れて訪問し、施設利用者(お年寄り)の方々に動物とふれあっていただいているようです。詳細は、http://www.jaha.or.jp をご覧くださいませ。
この活動には賛否両論あるようですが、実際に活動に参加しての感想は、あれだけ動物に気を遣って活動してるんだから、問題ないんじゃない?デス。協会の方の動物への気遣いといったら、訪問先の人間へのそれよりもスゴイかも・・・、と言うと語弊がありますが、とにかく「動物のストレスを飼い主さんはよく見て、気づいてください。ストレスがかかったら、すぐ輪からはずれて休ませてください」と毎回口を酸っぱくして仰います。
動物がいやいや参加しているなら、この活動は全く意味をなしません。動物と人とがお互いに楽しいひとときを持ってこそ意味あるものとなるのです。ですから、この活動に参加している犬猫たちは人間が大好きなコばかりです。大勢の人になでられたり、優しい言葉をかけられたり、抱っこしてもらったり、何か自分の得意なコトを皆の前で披露して誉めてもらったりするのが大好きなコばかりなのです。無理矢理やらされているコは私が行った中にはいませんでした。参加している犬猫は皆飼い主さんがいるコ達でしたから、かわいい愛犬愛猫に無理をさせる人もいないと思います。
さて、茶々のふるさとAWSのお知り合いのあるボランテイアさんが、比較的家から近い所に住んでおられて、愛犬パイロンと共にCAPPに参加されていました。(パイロンも捨て犬だったそうですが、とっても愛敬のあるコで、でかいナリして部屋を闊歩している姿は、なんか子馬が軽やかに歩いているみたいです。)AWSと茶々を通してこの方とお知り合いになり、活動のことを聞いて、妹は「人間好きの茶々に向いてるかも…」と思い立ち、さっそく資料を取り寄せ、見学に行きました。相変わらず、こうと決めるとすばやい行動の人。
見学してみてなかなか良さげだったので、早速茶々を連れて訪問に…、と思ったら、JAHAから「待った」がかかりました。曰く「これまでに障害を持った犬に活動してもらったことがないので、訪問先でどのような反応があるかわからない。また、そういう犬に活動をさせては身体的に負担がかかるのではないか」
訪問先の反応というのは、こんなかわいそうなコをさらし者にして!とか、車椅子をお使いの方がマイナスの反応を示されるかもしれない、とかいう危惧でした。で、JAHA上の方で「では今回は見送るということで」と決まりかかった時、ボランテイアさん達を取り纏め実際に訪問活動をしている現場のBさんから「逆待った」がかかりました。
「そんなことを言ってたら、いつまでたっても新しいコの受入れができない。これからも障害を持ったわんちゃんが参加してくれるかもしれないのに、断り続けるのか。わんちゃんとお年寄りの様子に十分気を配れば大丈夫ではないか。とにかく今やってみて前例を作り、今後につなげた方が良い。」
といった趣旨のことを発言してくださったそうで、晴れて茶々は活動に参加できることになりました。ただBさんも茶々の身体的負担のことは気にしてらしたので、このコは外に出る時はいつも車椅子だし、車椅子を嫌がっている印象は受けないし(というか出かける時は当然のような顔で車椅子の所でスタンバッてるし)、家の犬の中で一番元気で体力があるので、その点は大丈夫だと思います、と申し上げました。
さて、当日。実は私達もお年寄りにどう見られるかちょっとドキドキでしたが、意外にも皆さん茶々が車椅子だということにはほとんど頓着されませんでした。皆さん椅子か車椅子に座られていて、視線が高く、犬の顔の方に注目されていたせいか、足の方までは見ていないようでした。付き添いのヘルパーさんなどに「ほら、あのコがんばってるよ」などと言われて「あら」と初めて気付かれる、というカンジでした。茶々は難なくほかの犬達同様に受け入れられたのです。なんだあ。案ずるより生むが易しとはまさにこのこと。ただ1度だけ、茶々を抱いてもらうために車椅子から降ろし、その後も車椅子を装着せず、家の中のように前足だけで歩かせていたら、お一人「かわいそうだ」と泣き出された方がいらして、あわてて退場しました。私達は見慣れている光景でうっかりしてしまいましたが、初めて見る方には衝撃的で痛々しく映ることもありますよね。失敗失敗。
それ以外は施設利用者サイドからは特にこれと言った問題も出ず、スムーズに訪問は終わりましたが、どうも茶々の方がおかしいというか、少し戸惑っている様子ではなかったか、と1回目の訪問後に妹と話合いました。それで確認のため、もう一回行って茶々の様子を観察しましたら、うーん、やっぱりあんまり楽しそうじゃないなあ。家に人が来るのは大好きだし、散歩中に人に呼ばれるとちゃかちゃか行って撫でてもらうのも大好きだけど、だからこそ、この活動に向いているんじゃないかと思ったけど、実際は何だか楽しそうじゃない。目が泳いでいるし、腰がひけてるし、オドオドしてたりもする。CAPPは犬猫人が一堂に会するので、独特の雰囲気があるといえばあります。これが茶々にはダメだったみたい。
結局2回行っただけで挫折してしまいました。茶々の参加にホネを折ってくださったBさんには本当に申し訳ないことをしてしまった。そして「小さな命を救う人々」で予告紹介してくださった眞子さんにもごめんなさいですが、茶々がイヤならしょうがない。向き不向きってあるんですねえ。やってみなくちゃわからないことってあるんですねえ。
いや、また一つお勉強になりましたです、ハイ。