「捨て犬を救う街」を読んでくださった方、まだの方、みなさんとの交流の場を、
こうして持つことができました。
 
 動物の殺処分問題は、知れば知るほど迷宮にはまりこみます。処分自体から派生す
る物事はあまりに広範囲に及ぶからです。この問題の根元は結局、人の心に至ります
。それだけに根は深く、事態の改善は難しいです。けれどその一方「動物を捨てる人
さえいなくなれば」いいのです。
 
 では、その啓蒙を、どこからどう始めるか。保健所に飼い犬を捨てに来る子供に、
殺処分センターを見せる? けれど、彼に「ああ、可愛そう。動物たちを、そんなめ
にあわせてはならない」という気持ちが、そこで生まれるかというと、それも疑問で
す。だって、そもそも、彼が保健所に行くのを容認する親がいて、その常識が通用す
る家庭で生活しているのですから……。
 
 私は二ヶ所の動物収容所に行きましたが、帰ってから三日は人とまともに話せない
し、一週間は完璧に落ち込みました。本が出来上がった後も、この問題を追い、係わ
る人間に会い、お話を伺っています。。長く携わらざるを得ないサブジェクトである
し、これからも機会を見つけて、この問題について係わってゆくためには中立の立場
でいるべきなので、どこの団体にも所属をせずいようと考えています。私は著者の責
任として、これから、この問題に、どう対峙すればいいのか。まだまだ模索中です。
とりあえずホームページを開設しましたが、これによって自分の足元を固めようとし
ています。
 
 本の出版は、小さな一歩にすぎません。残念ながら時間がかかりますが、殺処分の
機械の中で窒息死してゆく動物たちの数をゼロに近づけるよう、自分なりの方法を探
してゆくつもりです。決して楽しい主題ではありませんが、みなさんと一緒に、その
道のりを歩いてゆけたら、と思っています。私たちが背中を向けたら事態が好転する
ことはありません。