誰かと一緒に暮らすことになったら、あなたはどんな準備をするでしょうか?
それまで長いこと仲良かった友達や恋人と生活を共にするとなると、楽しくてウキウキしてしまいそうだけれど、それなりに考えなくてはならないことがたくさんあります。それまで離れていた家族や肉親と同居するのなら、細かな気苦労も頭をよぎります。
ハタと冷静になれば、さまざまな用意を周到にしすぎるということはありません。そして準備万端、パーフェクトに整ったと思ったところで、問題は発生するものです。それを私たちは話しあったり、譲りあったり、思いやりあったりしながら共同生活を築いてゆくのです。
さて、生活習慣がまったく異なる相手だったら、どうしましょう?
私は一時期、アメリカで学校に通いました。古いアパートの6階の部屋で一緒に暮らしたルームメイトたちはフランス人、ギリシャ人、アメリカ人でした。彼女たちはアメリカで生まれ育ったので英語を話しますが、それでも国民性や宗教、価値観の違いというものを私は肌で感じました。バスルームの使い方から、お掃除の仕方、食料品買い出しの分担などなど、最初のころは思いがけないことで小さなぶつかり合いがありましたが、お互いに相手を尊重しながら快適な生活スタイルを見つけてゆきました。
それでは、人間以外の動物と暮らすのは、どうでしょう?
人とまったく違う生き物です。言葉は話さないし、食べ物も、もともとの生息地も違います。そんな彼らと一緒に暮らすとは、どういうことなのでしょうか。そのためには、どのような覚悟が必要なのでしょう?
犬や猫は、平均寿命が15年といわれています。15年先まで、その一頭の命の責任を負えるかどうか。健康管理をし、幸福に過ごさせることができるか。飼い主の都合で手放す可能性がないかを、まずはご自分と家族に問いかけていただきたいです。
健康管理には、お金がかかります。「幸福に過ごさせる」とは、その一頭に適した環境を整え、生態に合った飼い方をするということです。世話にかける時間がなかったり留守がちな家庭ならば、人を恋しがる犬をペットとして選ぶべきではありません。
ペットが欲しいと思いたったら、ペットショップや雑誌、インターネットを通じて希望の動物がすぐに手に入りますが「かわいいから」「欲しいから」とペットを買ったものの、飼いきれずに捨ててしまう人は驚くほど多く、平成12年度に殺処分を受けた犬と猫の総数は、約53万頭にのぼります。一日に換算すると、およそ1500頭もの犬と猫が毎日、殺されているわけです。その多くが、かつてはどこかの家庭の家族でした。
すでにペットと暮らしている方も、これから飼おうとする方も、是非もう一度考えていただきたいのです。ペットたちが生涯を健康的に、そして楽しく過ごす環境を、与えることができているのか、これからできるのかということを。
<2002年 I love pet 第一号>